代理人たちが中国から届いたオファーをこぞって公表しているのは、所属先や移籍先との契約交渉で優位に立つためだ。それはいずれ欧州のマーケットの混乱を引き起こしかねない。すでに中国市場は“インフレ”状態で、広州恒大の育成担当であるマルコ・ペッツァイオリは「並レベルの選手にも高い値がつくようになり、彼らの給与も非常に高い。パフォーマンスに見合わない給料が払われることが問題」と話す。

 ただ、さすがの中国もこの状況はまずいと考えたようで、中国サッカー協会はこのたび、スーパーリーグ(1部)のレギュレーション変更を発表。かつては1試合で起用できる外国人選手は「3人の非アジア圏選手+アジア圏選手1人」だったが、2017年からピッチに立てる外国人選手は1試合3人までとなった。

 さらに各クラブはU-23の中国人選手1人をスタメンに、もう1人をベンチに入れることが義務付けられた。本来の目的である「中国人選手の強化」を重視したわけだが、移籍市場開幕中、しかも3月4日の開幕まで2カ月を切ってからの発表と、かなりの無茶振りだ。

 なお、2部の石家荘永昌は16日、昨季アジア・チャンピオンズリーグ得点王のブラジル人FWアドリアーノをFCソウルから獲得したことを発表した。2部リーグであれば、1部のような規制はないが、まさかバブルがここまで?  ちなみに、同チームの指揮官はかつて清水を率いたアフシン・ゴトビである。