2000安打達成選手が続出しそうな野手に比べて、投手の名球会入り選手は、今年はなさそうだ。昨季は、黒田が日米通算200勝を達成して、8年ぶりに勝利数での名球会入りを果たしたが、オフに通算172勝の三浦大輔が引退し、現役最多勝投手は、日米通算170勝の岩隈久志となり、日本球界では 152勝の石川雅規が最多になった。

 通算150勝は、日本球界で杉内俊哉が残り8勝で達成圏内だが、日米通算では2人のスーパーエースが達成となる可能性が高い。ダルビッシュ有が残り11勝、田中将大が残り12勝で、チームでの立場を考えれば、クリアしなければいけない数字だ。

 これまでに日本でちょうど50人が達成している通算1500奪三振は、和田毅が日本のみの数字で残り14個と、開幕してすぐの達成が見込まれる。日米通算では、米国で前述の2人のスーパーエースを追う前田健太が、残り88個と圏内にある。

 投球回数では、石川が過去45人が達成している通算2500投球回まで、残り63回2/3。通算2000投球回は、涌井秀章が残り97回としており、日米通算では上原浩治(残り13回1/3)、ダルビッシュ(同86回)とビッグネームが並ぶ。

 勝ち星や投球回数では「日米通算」の但し書きが目立つ投球記録だが、注目したいのが、日本球界で前人未到の通算300ホールドまで、残り30と迫っている山口鉄也だ。中継ぎ投手のこの記録は、野手の犠打にも似た「縁の下の力持ち」的な性質の記録だが、9年連続60試合以上登板を継続中の鉄腕サウスポーが、球界に新たな価値観を築き上げる。

 リリーフでは、サファテが外国人投手としては史上初となる通算200セーブまで、残り25となっている。広島からスタートし、西武ソフトバンクと3球団を渡り歩いた守護神が、日本7年目で新たな歴史を刻む。

 最後に、連盟表彰には関係ない記録をふたつ。昨季、日本球界初の2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人だが、3度目の達成となれば、あのバリー・ボンズに続く2人目で、3年連続はMLBでも達成者のいない大記録となる。

 もうひとつ、これは必ずしも名誉な記録とは言えないかもしれないが、プロデビューから昨年まで、2443打席本塁打なしのパ・リーグ記録を持つ岡田幸文は、赤星憲広の持つ日本記録まで、残り85打席と迫っている。