タイの空港でいつもぎりぎりに搭乗する理由 <下川裕治のどこへと訊かれて>

連載「どこへと訊かれて」

 さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版「世界の空港・駅から」。第19回はタイのウドンターニー空港から。

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 ある国の空港を、隣国の人々が頻繁に利用する──。ヨーロッパではありそうな話だが、アジアでは珍しいことだと思う。

 ウドンターニー空港。タイの東北にある空港だ。この空港と首都のバンコクを結ぶ便は多い。LCC時代になって便は急速に増え、エアアジア、ノックエア、タイライオンエアなどのフライトが1日25便以上ある。

 そしてこの空港を利用する3~4割は、隣国のラオスの人たちなのだ。

 ラオスの首都、ビエンチャンからウドンターニー空港までは、バスやロットゥーという乗り合いバンがつなぐ。途中のメコン川沿いで出入国審査が行われるが、所要時間は1時間半から2時間ほどだ。

 ビエンチャンにはきちんとした国際空港があるというのに、なぜ、彼らはウドンターニー空港を利用するのだろうか。理由はしごく単純。安いからだ。ビエンチャンからバンコクまでの航空券は片道1万円ほどかかる。しかしウドンターニーからは3000円ほどですんでしまう。

 僕もビエンチャンからバンコクに向かうときはウドンターニー空港を使う。しかしぎりぎりで搭乗することが多い。乗り逃したことも1回ある。国境から空港までの乗り合いバンとの駆け引きがあるからだ。

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