高梨沙羅(c)朝日新聞社
高梨沙羅(c)朝日新聞社
キレイになったと話題の高梨沙羅(c)朝日新聞社
キレイになったと話題の高梨沙羅(c)朝日新聞社

「今年の夏は何か課題を克服しようというよりも、道具などで何が自分に合っているかを試しながらというか、自分に合ったものを探しながら練習をしてきました。それである程度自分に合ったものが見つけられたし、夏場のシーズンの後半になってからはだいぶ馴染んできたので。その点では例年に比べても仕上がりはいいなと思うので、あとは冬に向けてどう対応していけるかだと思っています」

【写真・キレイになったと話題の高梨沙羅】

 昨年11月13日に山形県の蔵王で行われた全日本スキー選手権大会ジャンプのノーマルヒルでは「目立ったミスはなかった」というジャンプをしながらも2本とも条件に恵まれず2位に終わった高梨沙羅。機材がなくウインドファクターが加味されない大会だったうえ、その前週に長野県の白馬で行われた全日本スキー選手権大会のラージヒルでは2位に115.5点の大差を付ける圧勝劇を演じていただけに、合宿に出発する翌日の成田空港でもその自信に揺らぎはなかった。そして冬シーズンが始まると、その自信通りの結果を連発。W杯第3戦では1本目3.9点のリードから逆転されて3位に甘んじたが、12月2日の開幕戦から1月8日の第6戦までに5勝をあげ、2位の伊藤有希に2勝分の200点以上の差をつけてW杯総合トップに立っているのだ(W杯ポイントは1位100点、2位80点、3位60点から30位1点まで)。

 15歳から出場しているW杯ではこれまで個人戦は79戦に出場し、そのうち70戦で表彰台に上がり49勝。総合でも昨季まで3回優勝を果たしたほか、11~12年は3位、14~15年は2位とダントツの強さを誇っている高梨だが、まだその進化は止まらない。フィジカル面での強化も、「ウイダートレーニングラボに栄養とトレーニングの指導をしてもらうために通いだしてから5~6年経ちますが、最初の頃と比べ物にならないくらいの変化を自分でも実感できているので。今までずっと信じてやってきたことで結果も出させてもらっているので、本当に信頼しています」と手応えを感じている。

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