中日に入団した明治大・柳裕也投手(c)朝日新聞社
中日に入団した明治大・柳裕也投手(c)朝日新聞社

 スター選手の登竜門であり、一生に一度しか受賞できない最優秀新人賞のタイトル。昨季セ・リーグでは高山俊(阪神)、パ・リーグは高梨裕稔(日本ハム)が獲得したが、今季は果たして誰が選ばれるのか。まずはセ・リーグから予想してみたい。

 セ・リーグの新人王レースの本命は、柳裕也明治大中日)だろう。東京六大学通算23勝(8敗、防御率1.84)を挙げたドラフト1位右腕。コントロール、スタミナ、安定感で他候補を上回り、ストレートの球威こそ物足りない面はあるにしても、投手としての総合力は高く、プロ1年目からフル回転できる完成度の高さを持っている。チーム自体も先発陣の再整備が課題で、チャンスも多く与えられるはず。広いナゴヤドームを味方につけて2ケタ勝利を挙げ、中日球団として川上憲伸以来19年ぶりの新人王を狙う。

 対抗馬には、加藤拓也(慶應義塾大→広島)、吉川尚輝(中京学院大→巨人)の2人の名前が挙がる。前年度優勝チームに加わることになる加藤は、150キロ超の剛速球が武器の力投型右腕。先発もできるが、リリーフとしての適性の方が高く、1年目から1軍登板の機会はあるはず。勝利の方程式に入ることができれば一気に視界は開ける。過去の事例を見ると、2008年の山口鉄也(巨人)が67試合で11勝2敗2セーブ23ホールド、防御率2.32、12年の益田直也(ロッテ)が72試合で2勝2敗1セーブ41ホールド、防御率1.67の成績で新人王に選ばれている。彼らと同等レベルの成績を残すことができるか。ハードルは高いが、可能性はある。

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