クラブW杯決勝レアル戦で2得点を挙げた鹿島MF柴崎(写真:Getty Images)
クラブW杯決勝レアル戦で2得点を挙げた鹿島MF柴崎(写真:Getty Images)

 欧州サッカー界では現地時間の1月1日から31日までクラブ間の移籍市場が開き、水面下で慌ただしい交渉が行われている。

 注目されるのは、日本人選手の欧州移籍だ。

 2016年は、岡崎慎司(レスター/イングランド)がプレミアリーグ王者に輝いた。ドイツ・ブンデスリーガでは、長谷部誠がフランクフルトで新境地を示し、原口元気(ヘルタ・ベルリン)、大迫勇也(ケルン)、酒井高徳(ハンブルガーSV)も堅調な姿を見せる。フランスでは酒井宏樹(マルセイユ)、スペインでは乾貴士(エイバル)が主力としてプレー。内田篤人(シャルケ)が故障から復帰を遂げつつあり、武藤嘉紀(マインツ)も同じく復帰間近だ。

 日本人選手は相変わらず、その存在価値を示している。

 しかし、欧州移籍の流れは弱まりつつある。

 最近は山口蛍(C大阪)、太田宏介(FC東京)らが半年、1年で舞い戻っている。日本人選手に対する評価は下降気味。ミラン(イタリア)では出場機会がない本田圭佑が「不良債権」のように扱われ、長友佑都(インテル/イタリア)、香川真司(ドルトムント/ドイツ)、宇佐美貴史(アウクスブルク/ドイツ)もベンチに座る時間が長く、各国で名声を落としている。「評判」はレストランの口コミのようなもので、想像以上に交渉で影響するのだ。

 その証拠にJリーグのシーズンオフ、いくつかの欧州移籍の噂が飛び交ったものの、ほとんどは“煙”で終わるだろう。

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