来季が契約最終年となるダルビッシュ。手術からの復活を印象付けるシーズンにすることができるか。(写真:Getty Images)
来季が契約最終年となるダルビッシュ。手術からの復活を印象付けるシーズンにすることができるか。(写真:Getty Images)

 メジャ−6年目のスタートを前に、レンジャーズのダルビッシュ有の周囲が早くも騒がしくなっている。年末には左腕で鋭い投げる映像(3年前のもの)を本人がソーシャルメディア上で公開し、米メディア間でも話題になった。そして、来季に契約最終年を迎えることもあり、今オフを通じてダルビッシュの次の契約はホットトピックの1つであり続けた。常に名前が取り沙汰されるのも、評価の高さと稀有なスター性がゆえだろう。

「次の契約期間を通じてベストピッチャーでいるかは定かではないが、私は彼は少なくともその中の1人ではあり続けると信じている。健康で、腕に不安もない。“アメリカンスタイル”の投球を学び、自信に満ち、快適に感じている。今季の彼はサイ・ヤング賞候補になる」

 ダルビッシュに常々高評価を与えている感のある「ダラス・モーニング・ニュース」紙のエバン・グラント記者はそう記す。

 その言葉通りの活躍をすれば、1年後にはどこかのチームから5年1億5000万ドル(約176億円)程度の契約を手にする可能性も十分ありそうだ。実際に2013年に奪三振王、2012~14年に3年連続オールスター選出された右腕は、素材的にはメジャーでもトップクラス。1年後にはジェイク・アリエッタ(カブス)、エリック・ホズマー(ロイヤルズ)、ロレンゾ・ケイン(ロイヤルズ)、そしてオプトアウトした場合の田中将大(ヤンキース)などがFAになるが、その中でもダルビッシュがオフの最大の目玉になっても不思議はない。

 ただ……素質の素晴らしさは認めた上で、8月には31歳になる右腕の価値に懐疑的な地元メディアもいないわけではない。

「ダルビッシュがFAになれば、少なくとも5年間で年俸2000万ドル(約23億円)以上の契約を得る。あなたがその契約を気に入ろうと、悪い契約内容だと思おうと、関係ない。ダルビッシュは“グレート”ではないが、“グッド”なピッチャー。ブルージェイズと対戦した昨季のア・リーグ地区シリーズ第2戦でホームラン攻勢にさらされた投球は惨めだった。5回で5安打、5失点、4被本塁打。しかし、メジャーに良い投手は乏しいから、それも問題じゃない」

次のページ