史上最年少でのJリーグ出場を果たした久保建英。来年のJ1初出場、国際大会デビューに期待がかかる(写真:Getty Images)
史上最年少でのJリーグ出場を果たした久保建英。来年のJ1初出場、国際大会デビューに期待がかかる(写真:Getty Images)

 12月21日から25日まで長野県で行われた『Jリーグインターナショナルユースカップ』。ユース年代における国内外の強豪8クラブが参加したこの大会で、FC東京U‐18の久保建英が4試合で6ゴールを挙げて得点王に輝いた。

 高校3年生が引退し、高校2年生が中心となるチームがこの大会には参加したが、中学3年生の久保はその中でもひときわ輝きを放っていた。抜群のボールコントロールと、常にゴールに向かう積極性を示し、圧巻のフィニッシュワークでゴールを量産。課題とされるフィジカルも、体格で勝る海外の選手たちにつぶされる場面もあったとはいえ、大きく見劣りすることはなかった。

 ブラジルから参加したフィゲレンセのアリソン・ダ・シルバ監督は「我々は警戒していたにもかかわらず、2点も奪われた。今後、日本にとっての重要なタレントへと成長していくのではないでしょうか」と久保に対して、賛辞を贈る。FC東京U‐18の佐藤一樹監督も「まだまだやらなければいけないことはあると思いますけど、自分の良さを出していこうという姿勢と果敢にチャレンジしていく姿勢は良かったと思います」と高く評価した。

 今夏に行われたクラブユース選手権でも得点王となった久保は、中学生でありながらすでにユースレベルにおいて、際立った存在となっている。来年は高校生となるが、技術、フィジカルともに成長の一途を辿っていることを考えると、ユースのカテゴリーは久保にとってもはや物足りなくなるかもしれない。

 今年FC東京はU‐23チームを立ち上げて、J3リーグに参戦。トップチームの若手に加え、ユースに所属しながらトップチームでプレーできる「2種登録選手」もU‐23チームに吸い上げられて、プレーした。久保も9月に2種登録され、J3で3試合に出場。15歳5カ月1日と史上最年少Jリーグデビューの記録を打ち立て騒がれたが、その成長速度を踏まえれば、来年は恒常的にJ3でプレーすることが考えられる。

 J3とはいえ相手はプロ。その中で際立った活躍を見せれば、J1でプレーする可能性も生まれてくる。とりわけ巧みなトラップからシュートに持ち込む技術の高さは大人の中でも十分に通用するレベルにあるだけに、J3で得点を重ね、トップチームに抜擢されてJ1デビューを飾る。そんなシナリオも見えてくる。来年はルヴァンカップで、21歳以下の選手1人のスタメン起用が義務化される。若手の出場機会の創出を促すこの大会での起用が、まずは現実的かもしれない。

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