楽天の注目は、やはりオコエ瑠偉だろう。規格外の能力を持つ男は高卒1年目の今季、1軍で51試合に出場して打率.185、1本塁打、6打点、4盗塁だった。2軍でも54試合出場で打率.222、5本塁打、24打点、14盗塁と、やや物足りない部分があったことは確かだが、その中で肉体強化とともに打撃フォームも助っ人外国人のような迫力のあるものに大きく変化した。技術的にも選手としてのピークはまだまだ先になるが、打線の強化が急がれるチーム事情の中では来季の1軍レギュラー定着、そして大ブレイクも十分にあり得る。

 最後にオリックス。ここには来季ブレイクの大本命であるスラッガー、吉田正尚がいる。今季もドラフト1位入団から開幕スタメンを果たしたが、腰痛で戦線離脱。それでも8月に復帰すると、4番にも座りながら計10本塁打を放ってみせた。客を呼べるフルスイングは、すでにプロ一線級。糸井嘉男がFAで退団した中、主砲として、そして新たなチームの顔として、さらなる爆発が求められる。

 今季優勝を果たした日本ハム、広島の両球団はともに、若手の台頭がチームに新たな勢いとエネルギーをもたらした。次に“神る”のは誰か。12球団の若手たちが、虎視眈々とその座を狙っている。