中学受験にチャレンジする6年生にとっては、ラストスパートの時期がやって来ました。不安と焦りが募るこの時期、合格のためにいったい何をしたらよいのでしょうか。『AERA with Kids 冬号』では受験直前の学習サポートについて解説しています。

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 受験直前期は「あと1問でも確実にしなければ」と各家庭で焦りがピークに達しています。「けれども、今はあれもこれもと手を広げてはいけません!」そうきっぱりと話すのは、中学受験専門の個別指導塾SS-1代表の小川大介先生です。

「中学受験の入試は、4科目の総合点で合否が決まります。つまり全教科100点を取らなくても、必要な点数さえとれれば合格できるのです。例えば12月の時点で、算数の『速さ』や『場合の数』が苦手だからと、基本からやり直させようとする親御さんを見かけます。しかし、習得に時間がかかる単元は、残り2カ月で間に合わないことが多い。それより、少しでも得点につながる問題を選んで演習を繰り返す方が、受験当日の得点率が上がる。必要な点を確実に取ること。これが合格への近道です」 

 では、具体的にどんな問題を選んで演習するといいのでしょうか。受験直前に強化すべき問題の選び方は二つあります。

「一つ目は、過去問や塾のテキスト問題で間違えを見直したときに、解説を読んで『なんだ、そういうことか!』とすぐに納得できているかどうかです。つまり、ほとんど理解できているけれど、あと少し及ばなかった惜しい問題ということ。これは演習を繰り返せばすぐに解けるようになります」(小川先生)

 もう一つの方法は、「算数で得点を取りやすい単元を見極めて演習を繰り返すこと」。そう教えてくれたのは、アートオブエデュケーションのプロ家庭教師、安浪京子先生です。

「合否を左右すると言われている算数では、得点力につながりやすい分野や単元を整理して演習を繰りかえすことが有効です。

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AERA dot.編集部
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