ノーベル賞は、私たちの生活とはかけ離れた、遠い世界のことのように感じるかもしれない。でも、これまでのノーベル賞の業績は、身近なところに数えきれないほど生かされている。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、毎日の暮らしや、健康を守るために役立っているノーベル賞の業績を紹介しよう。監修は朝日新聞編集委員・上田俊英さんだ。

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<タッチパネル> 化学賞
導電性プラスチック/受賞年:2000年/受賞者:白川英樹 (日本)ほか

スマートフォンなどのタッチパネルは、画面を指でさわると操作できるよね。これは、もともと電気を通さないプラスチックに電気を通す技術が開発されたおかげなんだ。

<携帯電話> 物理学賞
無線通信/受賞年:1909年/受賞者:G・マルコーニ (イタリア)ほか

地球の反対側にいる人とも話をすることができる携帯電話には、声を電波に変えて遠くに飛ばす無線通信の技術が生かされている。ラジオやテレビの放送も無線通信のおかげで実現した。

<LED照明> 物理学賞
青色LED/受賞年:2014年/受賞者:赤崎 勇、天野 浩、中村修二 (日本)

少ない電力で明るく光り、環境を守る「21世紀のあかり」といわれるLED(発光ダイオード)照明。光の三原色の中で最後までつくれなかった青色LEDが発明され、実現した。

※光の三原色:赤、青、緑の3色。すべてがそろうとフルカラーが可能になる。また、三原色の光を混ぜると「白いあかり」になる

<CD・DVD> 物理学賞
レーザー/受賞年:1964年/受賞者:C・タウンズ (アメリカ)ほか

CDやDVDで音楽や映像を楽しめるのは、表面に光を当ててわずかな凹凸を読み取るレーザーの技術が開発されたからだよ。

<電化製品> 物理学賞
IC/受賞年:2000年/受賞者:J・キルビー (アメリカ)

IC(集積回路)とは、たくさんの電子部品を小さな板の上に載せてつないだもの。今ではパソコン、電卓、冷蔵庫、炊飯器などの電化製品に使われ、小型化や高性能化を実現しているよ。

<レントゲン> 物理学賞
X線/受賞年:1901年/W・レントゲン (ドイツ)

人間の皮膚や肉も通り抜ける不思議なX線の発見により、体にメスを入れなくても骨の様子などが調べられるようになった。発見者の名前をとって「レントゲン」とも呼ばれているよ。

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AERA dot.編集部
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