そのようにカラフルな個性に彩られたジャパン・ウォリアーズが相対するのは、グランドスラム通算17勝をはじめ、テニス界の数々の記録を塗り替えてきた“生きる伝説”ロジャー・フェデラーが牽引するインディアン・エーシーズに、コート内外のトリッキーかつ大胆な動向で注目を集める“テニス界の異端児”ニック・キリオス率いるシンガポール・スラマーズ。そして、36歳を迎えた今も世界最高のダブルスプレーヤーとして活躍する“元祖・天才少女”マルチナ・ヒンギス擁するUAEロイヤルズの3チーム。いずれも豊かなプレースタイルとパーソナリティが終結した、魅力溢れる個性派集団である。

 それら豪華布陣のチーム同士の対抗戦で、試合の動向を大きく左右するのが、先発オーダーなどを含めた采配だ。エース級の選手を、ダブルスに起用する手もあるだろう。逆に、ツアーではダブルスに専念しているヒンギスが、久々にシングルスでその妙技を発揮してくれるかもしれない。特に、第4セットで行われるミックスダブルスに誰が起用されるかは、IPTLならではのお楽しみ要素。ジャパン・ウォリアーズでは、錦織&奈良のペア誕生もあるかもしれない。

 錦織は5歳でテニスをはじめた時、「フォアハンドでウイナーを奪う快感」に何より魅せられたという。同時に、「自分で性格悪いこと言うようですが…」と苦笑しつつ、「相手を走らせたり、嫌がる所に打ったり…そういうのも楽しかったんでしょうね」と、テニスに心奪われたその原点を振り返った。

 テニスという競技そのものが大好きな錦織は、個人戦の緊張感やツアーのプレッシャーから解放された時、どんなプレーを見せてくれるのか…? IPTLとは、彼が大切にする“遊び心”を色濃く発揮し見る者をも魅了する、格好の舞台かもしれない。(文・内田暁)