新しい「洗濯表示」の早見表。見慣れない記号も多い。新たな洗濯表示は全部で41種類だが、この早見表にはそのうちの主たる28種類が掲載されている(経済産業省の資料より)
新しい「洗濯表示」の早見表。見慣れない記号も多い。新たな洗濯表示は全部で41種類だが、この早見表にはそのうちの主たる28種類が掲載されている(経済産業省の資料より)
まずは基本となる5つの記号を押さえよう(経済産業省、消費者庁のリーフレットより)
まずは基本となる5つの記号を押さえよう(経済産業省、消費者庁のリーフレットより)
旧表示と新表示の対比。「乾燥のしかた」が大きく変わっている(消費者庁のリーフレットより)
旧表示と新表示の対比。「乾燥のしかた」が大きく変わっている(消費者庁のリーフレットより)
新しい表示だけでなく、洗濯のやり方もおさらいできる「洗濯表示すごろく」(消費者庁のウェブサイトより)
新しい表示だけでなく、洗濯のやり方もおさらいできる「洗濯表示すごろく」(消費者庁のウェブサイトより)

 2016年12月1日から、衣類のタグなどについている「洗濯表示」(取り扱い表示)が新しいデザインになる。これまで使われていた22種類の記号が、国際規格に合わせた41種類の記号に変更されるのだ。

 普段はほぼ洗濯機の標準コース、ニット系の衣料はドライコース、という筆者が一覧表を確認してみたところ、そこには見慣れない記号の数々が。ツイッターなどでは「全然わからん」「さらに意味不明になった」といった声も上がっている。いったいどのように変わったのだろうか。

 まず、これまでの記号をおさらいしよう。洗濯機やおけ、三角フラスコなどの絵に、「手洗イ」や「エンソサラシ」「ドライ」といった言葉や、温度や強弱が数字と漢字で書かれており、とりあえずは見れば理解できる記号だった。

 ところが新表示では、「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」を表す5つの「基本記号」と、「強さ」や「温度」「禁止」を表す「付加記号」、数字の組み合わせで衣類の取り扱い方を示している。原則文字はなく、参考情報として、「洗濯ネット使用」「裏返しにして洗う」などと簡単な言葉で表示される場合もあるという。

「強さ」は横線(―)の本数で表し、線が増えるほど弱くなる。タンブル乾燥(衣類を熱と共に回転させながら乾かす、コインランドリーや家庭用ドラム式洗濯乾燥機での乾燥方法)や、アイロンをかける時の「温度」は点(・)で表現し、点の数が増えるほど、温度が高くなるのだ。

 また、記号に対する考え方も変わった。これまでは「この方法で洗濯した方が良い」といった「指示(推奨)表示」だったが、新表示は「記号で示された条件か、それよりも弱いまたは穏やかな条件で行う」という「上限表示」となる。つまり、洗濯の温度が40度と示されていたら、それより高温で洗ってはいけない、ということだ。提示された以下の、どの条件で扱うかは、消費者が判断する。

 実際の記号で見てみよう。例えば、液体を張ったおけの中に「30」の数字、おけの下には線が1本引かれた記号は、「液温は30度を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる」ということを示す。

 ここで一つ疑問が生まれた。「弱い洗濯」ってなんだ?筆者が使っている洗濯機に「弱」というボタンはないよ?

 洗濯機などの規格を担当する経済産業省に確認すると、「一般的な日本製洗濯機のいわゆる標準コース、またはそれよりも弱い『手洗い』、『ドライ』などのコースで洗える、ということ」だという。メーカーや機種によって表示が異なるため、迷ったらメーカーに問い合わせるのが一番だという。

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