3カ月経ってもまだ肩があがらない…もしかしたら他の病気かも?(※イメージ写真)
3カ月経ってもまだ肩があがらない…もしかしたら他の病気かも?(※イメージ写真)

「ひじが痛い」「手術を勧められた」。整形外科の患者によくある悩みを、部位ごとに分けて専門医に聞きました。今回は「五十肩」についての回答を詳しく紹介します。

【Q】ある朝、突然腕が上がらなくなり、肩が痛くて腕を動かすことができなくなりました。整形外科に行ったら「肩関節周囲炎」、いわゆる「五十肩」だと言われ、鎮痛薬と湿布薬をもらいました。しばらくすると痛みは治まったものの、3カ月経っても腕は上がりにくいまま。元のように腕が上がるようになりますか?(女性・60代)

【A】ほかに原因がある可能性もあるため再度受診して相談してみましょう
<回答者:JCHO大阪病院 冨士武史医師

 多くの中高年が悩む五十肩ですが、これは俗称で、正式には肩関節周囲炎といいます。文字通り、何らかの原因で肩の関節に炎症が起こり、腕を上げたり回したりする動作がしにくくなったり、腕を動かすと肩が痛くなったりします。

 原因は、加齢や運動不足などによって、肩の骨(肩甲骨)の動きが悪くなること。その状態で腕を動かすことで肩の関節に負担がかかり、炎症が生じて急に痛みが起こり、腕が上がらなくなるのです。

 痛みが起こってすぐの時期(急性期)には、痛みと炎症を抑えるために、飲み薬や湿布薬などを使います。注射で劇的に治る場合もあります。五十肩に限らず、運動器の病気は痛いからと安静にしていてもよくならず、かえって悪くなってしまうものが多いといえます。ですから、痛みが少し治まったら、積極的に腕を動かすリハビリテーション(運動療法)をすることが大切です。

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