特に上原は、五輪やWBCなど国際大会の経験も豊富で、抑えには適任といえる。小久保監督は8月にレッドソックスを訪ね、上原と面会しているという背景もある。上原は10月、侍ジャパンの守護神候補に挙がることについて、自身のブログで「有り難いことですが、まだ所属先も決まってないから、何とも言えないよね。出てみたくなってきてるのは確かですが、北京オリンピックの後に、もう代表はいいかなって言っちゃったしね (^^;」と書いている。

 11月に入り、ゼネラルマネジャー(GM)会議に参加したレッドソックスの編成本部長は、上原との再契約について「準備を進めたい」と前向きな姿勢を見せた。さらにWBC出場についても、容認する方向だ。第3回WBCは野手も含め、初めて大リーグ所属選手が全員不参加となり、初めて優勝を逃した。二の轍は踏めない。

 とはいえ、上原がいまだフリーエージェント(FA)である以上、招集が不可能となった際のリスク管理も必要だ。ウルトラCとしては、第2回のダルビッシュ有(当時日本ハム)のように、大谷翔平のクローザー起用という案も考えられる。ただし、打者との二刀流起用も含め、所属する日本ハムの承諾が得られるかどうかが鍵となる。また、国際大会では渡辺俊介(当時ロッテ)が活躍したように、下手投げ投手は存在感を発揮する傾向にある。抑え経験もある牧田和久(西武)は、ベンチに入れておく価値がありそうだ。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)