そう吉田が分析する様に、高い位置でファウルをもらうプレーを得意としており、ここまでPKで3得点を記録した。直接FKのチャンスを得れば右利きのアル・ジャシムと左利きのアル・シェハリが正確なキックでゴールを狙ってくる。UAE戦で直接FKから失点を喫したGKの西川周作は「あの失点でFKの意識は高まった」と語り、強い覚悟でセービングをイメージしている。

 まず失点しないことは大事だが0-0のまま時間が進めば勝ち点3への焦りも出てくるかもしれない。そのためにも早い時間帯の先制点は狙いたい。オマーン戦は前半32分に大迫の1点目が生まれたが、立ち上がりはイージーなミスパスが目立ち、攻撃にリズムが生まれなかった。その反省も踏まえて、立ち上がりから攻勢をかけられる様にギアを入れていきたいところ。ただ、オマーン戦でテストした攻撃のバリエーションは後半の点が欲しい時間帯に有効になるはずで、前半のうちにリードを奪えなかった場合にハリルホジッチ監督がどう動いていくのかにも注目だ。

 最終予選のホーム初戦でいきなりUAEに敗れ、厳しいスタートを切った日本代表だが、首位のサウジアラビアに勝利し、勝ち点で並んで前半5試合を終えることができれば、来年3月からの後半戦に弾みを付けることができるはず。勝つことが何より大事だが、ホームでチームの成長を日本のサポーターにしっかり証明し、良い雰囲気をもたらすゲーム内容を期待したい。(文・河治良幸)