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68年ぶりの「スーパームーン」を巡る“大きな誤解”

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都心から見えたスーパームーン。飛行機のシルエットが浮かんだ=東京都中央区(2015年9月撮影)(c)朝日新聞社

都心から見えたスーパームーン。飛行機のシルエットが浮かんだ=東京都中央区(2015年9月撮影)(c)朝日新聞社

 いつもより大きく、明るい月が夜空を彩るスーパームーン。2016年11月14日は「68年ぶりのスーパームーン」が見られるという触れ込みで、今から心待ちにしている人も多いのではないだろうか。

 しかし、思い返してみると昨年も一昨年も「スーパームーンが見られる」という話題となり、実際に目にした人も少なくないはず。何が「68年ぶり」なのか、疑問を抱いた人もいることだろう。

「何十年ぶり」というような表現が用いられると、スーパームーン自体が極めて珍しいという印象を受けがちだ。だが、実際のところ、スーパームーンは1~2年ごとに起きており、それほど珍しい現象ではない。何が68年ぶりなのかというと、それは「地球と月の距離」なのだ。

 月が地球の周囲を回る軌道は楕円形であるため、月は普段から地球に近づいたり、遠のいたりしていて、その距離は約35万6000㎞から約40万6000㎞の間で変動している。スーパームーンと呼ばれているのは、ちょうど地球に近づいたタイミングで満月になった月なのである。

 今年11月14日のスーパームーンは、地球から35万6520.2㎞のところまで近づく。これほど満月が近づくのは68年前の1948年1月26日(約35万6490.6㎞)以来であるという意味で、「68年ぶり」と呼ばれているわけだ。記憶に新しい2015年9月28日のスーパームーンは約35万6900㎞、2014年8月11日のものは約35万7000㎞であり、確かに今回はひときわ近い。

 では、今年のスーパームーンは昨年や一昨年に比べて、どれくらい大きく見えるのか。残念なことに、見かけの大きさはほとんど変わらず、差は1%以下なのだという。国立天文台の広報担当者は語る。

「そもそも満月の大きさの違いを実感するのはなかなか難しいのです。今年11月14日の満月は35万6520.2㎞まで接近しますが、この距離は『地心距離』と呼ばれ、地球の中心から月の中心までの距離を指します。私たちは地球の表面から月を見ているため、月が地平線にあるときと天頂にあるときでは、私たちと月の距離は大きく変わります。地平線にあるときは地心距離とほぼ同じですが、天頂にあるときは地球の半径(約6400㎞)分、私たちは月に近い。つまり天頂にあるときに月はもっとも大きく見えるはずなのです」


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