オガワスタジオが販売しているトランプ氏とヒラリー氏のマスク。 (提供/オガワスタジオ)
オガワスタジオが販売しているトランプ氏とヒラリー氏のマスク。 (提供/オガワスタジオ)

 11月9日(現地時間8日)に投開票を迎えた米大統領選で、ドナルド・トランプ候補(共和党)の当確をAP通信など米主要メディアが伝えた。度重なる暴言や女性スキャンダルでイメージが地に落ちた感すらあったトランプ候補だけに、多くの人にとって驚きの事態なのではないだろうか。

 だが、“衝撃的な結末”を事前に暗示していた、もうひとつのトランプ候補とヒラリー候補の戦いをご存じだろうか。それは、両候補の顔を模したマスクの売り上げだ。

 さいたま市大宮区のゴムマスク製造販売会社「オガワスタジオ」は、ヒラリー氏とトランプ氏のマスクの製造で大わらわだ。同社専務・八木原貴裕氏(57)はこう話す。

「マスクの累計販売数はトランプ氏が1572個、ヒラリー氏が1118個と、トランプ氏の方がリードしていました。値段はどちらも2400円です。大統領選がスタートした当初は両者の売り上げはほぼ同じでしたが、中盤に差し掛かった頃から徐々にトランプ氏の売り上げが増え始めました」

 きょう9日、当確が出る直前に、どちらの候補が勝利した方が好ましいかを尋ねてみると、こんな回答が返ってきた。

「日本の国益としてはヒラリー・クリントン氏が勝利した方が好ましいと考えています。トランプ氏の躍進で、円が高騰していますから……。しかし、マスクの販売を考えると、トランプ氏が勝利したほうが好ましいです……」(八木原氏)

 トランプ氏勝利という選挙結果を受けて、トランプマスクの大量生産に入るのだろうか。

「これから年末を迎え、マスク業界は大統領候補のマスクだけでなく、定番ラインナップの生産もピークになります。世論の動きを見ながら、トランプ氏のマスクの生産量は考えていく予定です」(同)

 もうひとつ、マスクの売れ行きが示唆していたことがある。オガワスタジオは過去にもオバマ大統領のマスクなどを販売してきた。しかし、以前の大統領選と比べると、今回のマスクの売れ行きには控えめなのだという。

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