「うんち」の話は、家族や友達の間でもなかなかしにくいもの。でも、うんちは健康と密接に関係している重要なものだ。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』11月号でうんちを大特集。監修は、理化学研究所特別招聘研究員の辨野義己(べんのよしみ)先生だ。

監修の辨野義己先生(理化学研究所特別招聘研究員)(撮影/写真部・堀内慶太郎)
監修の辨野義己先生(理化学研究所特別招聘研究員)(撮影/写真部・堀内慶太郎)

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 今年の3月、小学生のうんちに関する調査が、NPO法人「日本トイレ研究所」によって行われた。その結果、小学生の約2割が便秘であることがわかった。さらに50%以上の子どもが「学校でうんちをしたくなったとき、我慢することがある」と答えた。あなたの場合は、どうかな?

 別の調査によると、10代の女の子の場合、3割以上が便秘で、なかには平均すると5日に1回しか、うんちが出ない子もいるという。

「これはとても心配な状況です」と腸内細菌学者である辨野義己先生は言う。そして、その原因として、子どもの食事や睡眠については親も学校の先生も関心をもっているが、子どものうんちについては関心が低く、話題にすることを避けてしまうからだと説明する。その結果、学校のトイレでうんちをすることが「恥ずかしいこと」と思われ、子ども同士でからかいの対象になることも大きな問題になっている。

 日本トイレ研究所の調査では、「学校のトイレでうんちがしにくい理由」として、「和式便器」「トイレが臭い」「便器が汚い」ことも挙げられた。学校の先生を対象とした調査(※注1)でも、改善したい場所の一番に「トイレ」が挙げられている。そのため、各地の学校でトイレの改修が進められているが、費用がかなりかかるため、まだまだ変わらない学校も多いようだ。

※注1)「2015年度全国公立小中学校アンケート調査」(学校のトイレ研究会)から。「学校で児童・生徒のために改善が必要と思われるのはどこですか?」という質問に対して、教職員の59%が「トイレ」と答えた。

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AERA dot.編集部
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