さらに翌日のフリーでは、冒頭の4回転フリップや後半に入れた4回転トゥーループ2回を決める完璧な滑りをしていながらも、終盤のトリプルアクセルで転倒という痛恨のミスが出てしまったが、その転倒以外はGrade of Execution(GOE)でプラスの加点をもらって190.19点を獲得。合計を自己最高の279.34点とし、昨季のエリック・ボンバール杯に続いて2回目のGPシリーズ優勝を果たし、2年連続でのGPファイナル進出をグッと引き寄せた。

 特に男子選手の場合は体の成長などで、進化するときは一気に進化して、それまでより2段階も3段階の上のレベルに達してしまうことがある。宇野の場合はまさにそんな状況なのだ。

 宇野のGPシリーズ第2戦は1週間置いた11月4日からのロシア・ロステレコム杯と、厳しいスケジュールになっている。ここでは世界選手権連覇中のハビエル・フェルナンデス(スペイン)と戦うが、他のメンバーを見れば2位以内には確実に入れると予想できる。疲労も取りきれない中での王者への挑戦となるが、彼の今季の飛躍を占う意味でもフェルナンデスとどんな戦いをするかが大きな注目だ。(文・折山淑美)