鳥取和牛を使ったローストビーフ
鳥取和牛を使ったローストビーフ

 震度6弱を観測した鳥取県の地震は、首都圏でも大きく報じられた。現在も一部では避難生活を余儀なくしている人もおり、今後の生活が心配されるが、一方で問題となっているのが観光客の激減だ。地震から1週間が経った10月28日の時点で、鳥取県での宿泊のキャンセルは1万件超とも報じられている。鳥取県市場開拓局の羽田直樹さんはこう話す。

「地震の影響で現在も避難生活されている方もいますが、被害的には限定的な部分が大きいです。農産物では果物が木から落ちてしまったり、瓶詰め作業に入っていたワインが割れてしまったり、といった被害はあったのですが、壊滅的というほどではありません。ただ、メディアで報じられているのを見て被害が大きいと感じられた方が多いようで、旅行のキャンセルが相次いでいる状況で、今はそちらの方が大きな懸念となっています」

 こうした観光・旅行業への影響は島根県などの隣県にも及んでおり、羽田さんは「これを機に山陰地方が沈んでしまうことは避けたい」と話す。

 こうした状況を打開したいと、27日には鳥取県の平井伸治知事が自ら、東京・新橋のアンテナショップを訪問。地震への支援に対する感謝を表すとともに、鳥取の食や観光をアピールした。また、県では観光施設や旅館、ホテルが通常営業していることをアピールするチラシも作成、配布するなどし、観光客の呼び戻しを図っている。

「鳥取に来てもらえるのが一番の支援」と羽田さんが話すように現地を訪れることができればいいのだが、それ以外でも支援の方法はある。

 鳥取県は11月15日から「鳥取県レストランフェア」と銘打ったイベントを開催する。イベントは東京、関西エリア、名古屋で開催され、それぞれの地域の対象店舗では、鳥取県産の食材をつかったメニューが提供される。鳥取食材を食べることで、産地を支援することができるのだ。

 同イベントは開催地域によって取り扱う鳥取食材が異なっており、東京では鳥取和牛を、関西エリアでは鳥取の魚介と野菜類を、名古屋ではベニズワイガニを使った料理が提供されるという。記者は鳥取和牛を使った料理を試食したのだが、鳥取和牛は現在のブランド和牛のルーツとなる牛だけあって、脂がとろけ、濃厚なうまみを感じた。オリーブオイルなどに含まれているオレイン酸を豊富に含んだ肉なので、美容に気を遣う女性にもおすすめだという。

 イベントは東京で11月15日~29日、関西エリア(大阪、神戸、京都)で11月下旬~12月、名古屋では来年1月に開催される。実施店舗は下記の通り。

東京:銀座イタリー亭、ヴィーナス、銀座朱雀、懐石・しゃぶしゃぶ吉野、トラットリアコルポデラストレーガ、銀座いしづか、Up Town、ダオルモ、ビストロokei、銀座吉澤

関西エリア:イル・ギオットーネ本店、エル・ポニエンテ本店、メゾン・ド・タカ芦屋

名古屋:賛否両論 名古屋店、四川飯店 名古屋店、ラ・ベットラ・ダ・オチアイ ナゴヤ