人は欲しい気持ちが先行していると、「どうしても必要だから」と、もっともらしい理由をつけて購入の正当性を主張します。それが不要だったことに気づいても、「いずれ使うから」「子供に残せばいい」などといい訳をして、逃げます。

 どんなに高価なものも、貴重な品物も、使わなければただの「ごみ」です。お金を失うだけでなく、自分の価値観に合わないものの中に身をおくことで、部屋は片付かず、思考も整理できない。精神的なストレスは、計り知れないでしょう。

 今あるモノを大切にする。暮らしの中で「ない」を数えるのをやめ、「ある」を見つける。すでに「あるモノ」を丁寧に見つめる。身の丈にあった生活だからこそ、豊かな気持ちで生きていけるのです。

 最後に心がけるべきなのが、「健康や環境に良いことを追求する『姿勢』」です。

 昼間活動して夜は休むという自然のサイクルは、電気代や光熱費のコスト削減、環境に良いだけでなく、心身にも優しいのは疑う余地はありません。そして「季節に合わせた暮らし」を心がけると、数々の恩恵がもたらされます。

 実際、私はエアコンの使用を控えめにして、食べ物や飲み物、衣服や日々の習慣で寒暖を防ぐ工夫をしたところ、暑さや寒さに強くなり、風邪をひかなくなりました。さらに、夏冬通して部屋が乾燥しないので、髪や肌のダメージが劇的に減り、電気代や病院代だけでなく、美容にかけるお金も減って、一石何鳥にもなりました。

 またおいしいモノや好きなモノばかりが食卓に上れば、家族の笑顔は生まれますが、栄養が偏り、食品のムダも生じます。それはお金と健康を、捨てているのと同じです。ある日突然、高血圧や糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病や通風にかかり、食事制限や入院を余儀なくされる危険性を秘めています。働けない事態になれば、収入は途絶え治療費がかさみ、将来への希望や家族の笑顔も消えてしまいます。健康は資産、病は負債です。

 お金持ちは、「健康オタク」ともいえるほど、心身の健康には敏感です。それは健康であるからこそ、資産を増やせる。病気になれば保険でお金はまかなえたとしても、周囲へ及ぼすマイナスの影響は避けられないと、肝に銘じているからなのです。

 マイナスの影響とは、信用や信頼の失墜など、長年かけて培ってきた無形の資産を失うこと。一度失った信用や信頼を取り戻すには、どれだけの時間や労力がかかるのか? いや、取り戻せる保証などないのです。ですから、欲望に踊らされず、自分を戒め、健康や環境に良いことを追求するのです。

 これら3つを押さえれば、お金は自然と貯まります。すでにお金に恵まれている方はもちろん、そうでない方も、お金との縁が深まるのは確かです。