復活が期待される浅田真央(写真:Getty Images)
復活が期待される浅田真央(写真:Getty Images)

 昨シーズン、1年間の休養から復帰した浅田真央。フリー演技だけで戦う初戦のジャパンオープンでは、トリプルアクセルをキッチリ決めて非公式ながら141.70点の高得点を出した。続くGPシリーズ初戦の中国杯では、15年世界選手権3位のエレーナ・ラジオノワ(ロシア)や本郷理華を抑えて優勝を果たす。

 だが、その後はGPファイナルでは6位にとどまり、全日本選手権でも宮原知子と樋口新葉に敗れて3位。予定していた四大陸選手権の出場を辞退して臨んだシーズン最終戦の世界選手権ではSP 9位と出遅れ、シーズンベストの200.30点を出しながらも7位という、不完全燃焼の結果に終わってしまった。

「最初は『間に合うかな?』『大丈夫かな?』というところからのスタートだったが、その時に比べれば自分の目標とするところまで戻ってきたのかなという感じはあります。最後のこの試合でも自分が表現したいものは観ている人たちに伝わったと思っているけど、やっぱり選手として戻って来た以上は自分のレベルも上げていかなければいけないと思った。『表現したい』だけではダメだなと思うので、さらにレベルアップしてもっと上の順位を狙っていけるようにしたいと思います」

 こう話す浅田は復帰シーズンを終えて、自分の心の中に「平昌五輪まで挑戦したい」という気持ちがあるのをハッキリと確認したのだ。

 ただ、年齢を重ねたことで、これまでとの違いもあることを知った。試合後も体のケアを入念にやってはいたが、連戦が続く中での疲労の回復は以前とは違った。さらに試合への気持ちの持って行き方も微妙に違っていた。「少しずつ手応えを感じてきた中で、自分がどれだけ調整をしたらこれだけ出来るというのがわかってきたので、その経験を無駄にしないようにしたいと思う」と話した彼女にとって、昨季はそれを学んだシーズンでもあった。

 そして「今の女子フィギュアは若い選手に勢いがあってレベルの高いものをやっているが、その中でも今回は長くやってきた24歳(当時)のアシュリー・ワグナー(アメリカ)が銀メダルをとったことや、14年ソチ五輪では27歳だったカロリーナ・コストナー(イタリア)が銅メダルをとったことが私にとってはすごく励みになっている。私もそういう選手になりたいと思います」と決意も新たにしたのだ。

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