履正社・寺島成輝(c)朝日新聞社
履正社・寺島成輝(c)朝日新聞社

 運命の「10・20」が迫る中、今年のドラフト候補生たちを再チェック。まずは好投手が揃う今年の高校生たちを紹介しよう。

 今年は計105人の高校生がプロ志望届を提出した。その中での注目は、下級生時から注目を集めていた寺島成輝(履正社)、高橋昂也(花咲徳栄)、藤平尚真(横浜)の「BIG3」に、今夏の甲子園優勝投手・今井達也(作新学院)を加えた4投手。いずれも150キロを超えるストレートを繰り出し、ドラフト1位候補として各球団がマークする逸材だ。

 寺島は投手としての完成度、総合力が高く、夏の甲子園では不完全燃焼だったものの、U‐18アジア選手権で最多勝&最優秀防御率に輝き、秋の国体初優勝で有終の美を飾った。寺島と同じ左腕の高橋は、落差のあるフォークが武器で夏以降は投球自体に粘りも出て来た。藤平は2種類のスライダーを操り、高い身体能力を含めたスケールの大きさは随一。今井には大学代表ですらキリキリ舞いとなった「低めに浮き上がる」ストレートがある。それぞれ性格は異なるが、共通するのは高い向上心。現時点では甲乙つけがたい「BIG4」の誰がプロ入り後に伸びるのか。スカウトの眼力が問われることにもなる。

 この4投手とともに、高校日本代表に選出され、U‐18アジア選手権での優勝に貢献して評価を高めたのが、投手では堀瑞輝(広島新庄)、打者では鈴木将平(静岡)の2人だ。堀は必殺のスライダーを武器にリリーフとしてアジア選手権MVP級の働きを披露。秋の国体ではチームを決勝まで導き、自己最速の150キロも計測した。今夏の甲子園不出場だった鈴木は、持ち前の打撃センスで侍ジャパンの3番打者として活躍。鋭いスイングで木製バットへも素早く順応し、俊足&外野守備も含めて高校球界ナンバーワン野手との評価。ともに上位での指名が予想される。

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