エディー・ジョーンズ前HCは就任1年目の欧州遠征でジョージアに勝ってチームに自信を付け、2013年にウェールズ、2014年にはイタリアとシックス・ネーションズ勢を次々と破ってワールドカップに向けた期待感を高めていった。その再現となれば、再びワールドカップに向けて勢いを付けられるマッチメイクと言える。

 しかし、ジョセフHCは9月5日の就任記者会見で「結果を求めるのはワールドカップ」と、11月のテストマッチの目標については慎重な表現に終始した。確かに、就任直後に短い準備期間でアルゼンチンと対戦し、さらに相手の本拠でウェールズと戦うことは荷が重い。2019年での成功を目指すなら、目先の勝ち負けに拘泥せず、長期的な視野で臨もうとするのももっともだ。

 だが、「失われた1年」で、日本ラグビー界にはそれを許す余裕はなくなっているのではないか。これからのテストマッチ4試合が仮に世界ランク通りの結果となれば、ファンの期待感もメディアの注目度も一気にしぼむ可能性は高い。

 11月5日のアルゼンチン代表戦から始まるテストマッチ4連戦。これからの日本ラグビー、そして、2019年のワールドカップの成否にも関わる大切な戦いが始まる。