「うちの子、計算が苦手で……」「簡単な計算ミスを繰り返してばかり」――。そんな悩みをもつお母さんがまず取りかかることといえば、「計算ドリルで徹底的にトレーニング」が王道です。でも、もっと効率的で楽しく計算力を伸ばす方法があるとしたら……。『AERA with Kids 秋号』(朝日新聞出版)で親子で楽しく計算力を伸ばす方法を調査しました。

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 中学受験専門塾「アテナ進学ゼミ」を主宰する宮本毅先生によると、計算が苦手な子にありがちな行動パターンは以下の4つに分けられると指摘します。

1.簡単な計算も筆算をしている
学校教育の現場では「なるべく筆算で解くように」と教えているケースが多いですが、ごく簡単な計算も筆算するのは考えものです。「35+65=100、25×4=100など、暗算したほうが速く解けそうな問題まで筆算で解くことで、桁を間違えたり、数字を見間違えて計算間違いをしたりしてしまうケースも多いです」(宮本先生)

2.とにかく計算が遅い
計算では正確さだけでなく速さも重要です。計算が遅い子は、文章問題などを解くときに「早く式を立てて計算しなきゃ」という焦りから、じっくり問題と向き合うことができず、結果的に正解にたどり着けないことになりがちです。

3.式は合っているのに計算ミスが多い
算数が苦手な子は、式を立てるのに時間がかかりすぎるため、計算で焦って間違えてしまうケースが多いといいます。反対に、算数が得意な子でも、式を立てた時点で「もう大丈夫」と油断して計算ミスをしてしまうということもあるのです。

4.計算が間違っているのに気づかない
「29×15=3024」のように、明らかに間違った答えを答案に書いてしまう子が多いといいます。「筆算の桁の書き間違いといった不注意が原因なのでしょうが、それより『この計算結果はおかしい』と気づけないことが問題です」(宮本先生)

 いかがでしょうか? また、計算力があるかないかは、「数感覚」が身についているかどうかにも左右されます。

 例えば、お子さんに次の質問をしてみてください。

親子3人で食事に行き、会計が「2778円」になりました。さて、1人当たりの支払額はいくら?

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AERA dot.編集部
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