Bリーグは決して悪くないスタートを切った。そもそもリーグの分立を解消し、FIBAによる制裁処分を最短で解除できたことは快挙だったといっていい。

 確かに世界は経営的にも実力的にも、日本のはるか先にいる。Bリーグはまずアジアの先頭集団に追いつき、先行するCBA(中国)、KBL(韓国)と集客や競技力で肩を並べねばならない。しかし日本バスケは少なくとも前を向かって走り始めた。そして幸か不幸か追う者の強みを発揮できる。

 バスケは学校体育に採用されており、日本人のほぼ全員が最低限のルールを知っている。夏が暑く冬は寒く、雪も降るこの国でアリーナスポーツには高い成長性がある。日本経済の低迷も、永遠に続くわけではないだろう。

 観戦歴が豊富だったつもりの私にとっても、Bリーグ開幕戦のライブ体験は衝撃だった。アリーナの整備は必須だが、あの楽しさを広く伝えられれば、日本にもプロバスケは根付くはずだ。(文・大島和人)