1-1で終わったゲーム、日本人にとっては甘辛い形だったかもしれない。

 善戦したエイバルに乾の姿はなかった。

 清武は決定的な仕事を果たし、チーム一の走行距離で献身性も示し、『as』紙では2点(0~3の4段階で数字が多いほど評価が高い)と採点された。その一方、守備の強度は弱く、ボールロストする場面も少なくなく、『MARCA』紙は1点の評価。インサイドハーフとして全体のバランスを取り、攻撃を作り出すことはできなかった。

 なによりセビージャはチームとして低調。レギュラー級のビトーロが投入されてからチームが好転した事実から見ても、先発と控えに差が出始めている。開幕前後は主力だった清武だが、ここから奮起が求められる。

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 その見出しはいみじくも、清武、乾の現状を映し出す一戦になった。二人にとっては高いレベルでポジションを勝ち取るため、ここから先に厳しい戦いが待っている。(文・小宮良之)