この3強の牙城を崩すのは、容易ではない。激しく迫るのは、マンチェスター・シティ(イングランド)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の2チームだろうか。

 シティは今シーズンから名将ジョゼップ・グアルディオラが率い、先日のプレミアリーグで宿敵マンチェスター・ユナイテッドを撃破するなど、徐々にその色が出つつある。万難を排して獲得したGKクラウディオ・ブラーボから始まるポゼッションゲームはスペクタクル。まだ戦術的には熟していないが、プレミアリーグの速さや強さと指揮官の求めるボールプレーの美しさがどう融合するのか。

 バイエルンは4シーズン前の欧州王者。直近は3季連続で準決勝止まりだが、それは地力の証左でもある。そもそも優勝最有力候補でありながら、グアルディオラ監督が理想を追い求めた結果、つかみきることができなかった。新任のカルロ・アンチェロッティは常勝監督だけに、現実路線も選択できる。頭角を現しつつあるヨシュア・キミッヒや新加入のマッツ・フンメルスらドイツ代表組が鍵を握るだろう。

 日本人の注目は、岡崎慎司のレスター・シティ(イングランド)、香川真司のドルトムント(ドイツ)、清武弘嗣のセビージャ(スペイン)か。

 レスターは組み合わせには恵まれたが、国内リーグとの二足のわらじを経験したことのない選手ばかりで、そこは不安要素だろう。成長を続ける岡崎は、この大会を触媒にできるか。心強いのは昨季大ブレークしたリヤド・マフレズの残留で、その左足はスペシャルだ。

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