交流戦で一気にチームを上昇気流に乗せたのが、高卒4年目の外野手・鈴木誠也だ。広島は交流戦の途中まで、5勝6敗1分けと負け越していた。しかし、終盤の6試合を6連勝。最後の6月17~19日の3試合は、鈴木がサヨナラ本塁打、サヨナラ本塁打、決勝本塁打と大爆発した。特に注目を集めたのが6月18日に放った逆転サヨナラ3ラン。広島では84年長嶋清幸以来となる2試合連続サヨナラ弾に、緒方孝市監督も「(鈴木は)神懸かっているよ。今どきの言葉で言うなら、“神ってる”よな」と興奮。逆転勝ちが42度となった、今季のチームを象徴する「流行語」が生まれた。

 交流戦後は順調に貯金を増やしていったが、8月上旬、ターニングポイントとなった試合があった。2位巨人との直接対決3連戦(マツダスタジアム)。勝ち頭の野村祐輔、ベテラン黒田を先発に立て、抑えの中崎を連投させながらも、5、6日に2連敗した。前のカードから合わせると、今季初の4連敗だった。これにより、最大で11あったゲーム差が4.5まで縮まった。それでも、迎えた7日の3戦目。9回2死まで6-7で負けていたが、巨人の抑え、沢村から2番菊池涼介が同点アーチ、さらに4番新井がサヨナラ二塁打を放ち、窮地を救った。

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