25年ぶりの優勝を決め、抱き合って喜ぶ広島の選手たち=10日、東京ドーム、上田潤撮影 (c)朝日新聞社
25年ぶりの優勝を決め、抱き合って喜ぶ広島の選手たち=10日、東京ドーム、上田潤撮影 (c)朝日新聞社

 プロ野球のセ・リーグは、広島が1991年以来25年ぶり7度目の優勝を果たした。9月10日の優勝決定は、2リーグ制後2番目の早さ。胴上げ前、弱かった時代を経験している黒田博樹と新井貴浩のベテラン2人が抱き合う姿は感動的だった。いかにして広島がペナントレースを制したのか、今シーズンを振り返る。

 開幕前の下馬評は低かった。昨年、29試合に先発し、リーグ最多の15勝を挙げたエース前田健太が、ポスティングシステムで米大リーグのドジャースに移籍。さらに、前田に代わるエース候補と目されていた大瀬良大地も右肘を痛め、開幕に間に合わなかった。救援陣にジャクソン、ヘーゲンズを補強していたが、大リーグではなく3Aを主戦場にしていただけに、いかせん未知数。投手力の低下が危惧されていた。

 そんななかで、広島が混戦を飛び出したのは交流戦だった。交流戦前にも首位に立っていたが、そのときは5位巨人までのゲーム差は3.5。リードはわずかだった。交流戦では、広島以外のセ・リーグ5チームが勝率5割以下に沈むなか、広島は11勝6敗1分けと奮闘し、終了時には、2位巨人に6ゲーム差をつけていた。

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