UAEのアリ・マブフートが森重真人を振り切り日本ゴールに迫る。そのまま突進するかと思われたマブフートだが、吉田麻也の気配を感じたのかフェイントを入れたため、かえってバランスを崩した。そこで吉田はすかさずボールにアタック。その際、吉田の腕が軽く触れたようにも見えなくもないが、アルジャシム主審は吉田にイエローカードを出して、UAEには直接FKを与えた。本来なら流していいプレーである。アハメド・ハリルの直接FKは見事で、GK西川周作も防ぎようがないとはいえ、アルジャシム主審がプレゼントした1点目だった。

 次の“見せ場”は後半立ち上がりの52分、日本のペナルティエリア右でイスマイル・アルハンマディがボールをキープ。これを香川と酒井宏で囲み、さらに大島がボールを奪おうとしたところでアルハンマディが倒れると、アルジャシム主審はUAEにPKを与えた。こちらはアルハンマディのダイブで、彼にイエローカードを出すべきだった。そして54分、このPKをハリルはゴール中央にふわりと浮かせて追加点を奪う。元をたどれば1点目は大島の酒井宏へのパスが弱くインターセプトされてのカウンターであり、2点目のきっかけは長谷部のバックパスを拾われての失点と、日本のミス絡みではある。それでもUAEにFKやPKを与えるようなプレーではなかった。

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