第3セットも7点差。絶体絶命とも言える状況のなか、それでも日本は最後まで諦めなかった。追う状況でも際どいコースや選手と選手の間を狙った島村のサーブから流れをつかみ、1、2セットでは相手のマークに苦しんでいた木村がスパイクで連続得点。セッターの宮下遥に代わって入った田代佳奈美の高さのあるトスを木村が次々に決めて、20-20とついに追いつくが、米国はサーブで攻め、日本の反撃を断ち切る。

 21-24とマッチポイントを握られながらも、木村が放つ渾身のスパイクで得点し、2点差まで詰め寄る。だが、粘りもここまで。最後は米国のミドル、フォルケ・アキンラデウォのスパイクが決まって勝負あり。日本は0-3のストレート負けを喫した。

 初の五輪、苦しみながらも最終戦でも好調だった石井は「どんな相手にも勝たなければ金メダルは取れない。世界1位のアメリカを倒すためには気持ちが強くないと勝てない」と振り返った。石井と同様に初の五輪出場だった宮下は、目を赤くし「次につなげないと意味がない。経験できた、で終わらせないように次へつなげたい」と今後の飛躍を誓った。そして、チームのキャプテン、エースとして奮闘した木村は「目標としていたところは達成できなかったけれど、いいチームだったし、このチームでキャプテンができてよかった」と涙で声を詰まらせた。