金色の大玉は直径85センチ、高さ50センチで巨大そろばんの玉と同サイズ。祈願は、(1)「願いましては」と唱えて、7桁そろばんの5つの玉をすべて上げる、(2)願いを数字に込めてそろばんをはじく、(3)金色の大玉をさする、という手順があるそうだ。

 パチパチとそろばんをはじけば、「5・9(合格)」はもちろん、「4・0・8・1・8・4・0(商売繁盛)」や「10・1000(当選)」「1・1・5・0(いいご縁)」「1・1・2・2(いい夫婦)」など、幅広いお願いができる。特に願い事がなければ、「3・7・3・9(みんなサンキュー)」と感謝の気持ちを表すことも可能だ。

 ネタとしてはおもしろいが、「ほんまにかなうんかいな」という疑問も。それを担当者にぶつけたところ、なんと、16年7月末に「2・0・8(二連覇)」と祈願した県立小野高校の女子生徒が、8月上旬に行われた全国高校珠算・電卓競技大会で見事、二連覇を果たしたという。「もちろん本人の実力でしょうが、御利益があったと思えばうれしい」と担当者。あなどれない御利益がありそうだ。

「沿線の神様」は他にもいる。神戸電鉄によると、三木上の丸駅(三木市)から徒歩約30分にある慈眼寺にも神様がいるのだとか。実はここ、悪徳大名や商家からお金を盗み、貧しい人たちに分け与えたという伝説が残る盗賊、鼠小僧次郎吉の墓がまつられており、金運の御利益(?)にあやかろうと多くの人が訪れるのだ。なんでも明治時代に東京・両国の回向院から分墓されたそうだ。

 また、ネタ的なスポットとして、緑が丘駅(三木市)の情報も寄せられた。14年から導入している駅ナンバリングで、神戸電鉄の社名を表すアルファベットは「KB」なのだが、緑が丘駅のローマ字表記「MIDORIGAOKA」の後ろに付けると「AKB」となる。さらに同駅のナンバーは48番。続けて読むと……。たとえ無理があるとしても、ファンにとってはある意味「聖地」かもしれない。

 沿線の神様は16年8月31日まで募集している。同社の担当者は「(“かみてつ”の)名前に負けない神がかり的なものはまだまだあるはずなので、利用者の皆さまのご提案で発掘していきたい」とPRする。果たしてどのような神様が集まるのか。情報をお持ちの人は、ぜひ神戸電鉄まで。(ライター・南文枝)