負けられない一戦で最初のセットを得たことで余裕が生まれ、第2セットは終始日本のペースだった。相手コートのスペースを狙った絶妙なサーブでポイントを重ね、さらにこの日好調の石井が力のこもったスパイクで得点。第2セットも25-16で日本が連取した。

 勝利まであと1セットに迫った第3セット。木村のサービスエースや石井、迫田の攻撃で快調に得点する日本に対し、アルゼンチンもミドルブロッカーの打数を増やし応戦する。9-9と序盤は接戦が続いた。

 しかし、ここでも日本のサーブが武器となる。迫田のサービスエースや木村のサーブで崩れたところを、荒木がブロックポイントで得点を挙げるなど、23-18と一気に相手を突き放す。宮下のツーアタックでマッチポイントとし、決勝トーナメント進出まであと1点と迫った日本だったが、ここからミスが続き、まさかの追い上げを許す。24-24と同点にされ、ジュースに突入した。後半の猛追で勢いに乗るアルゼンチンが積極的に攻撃を仕掛けたが、日本は冷静にディフェンスで応戦。手堅い守備が相手のミスを誘い、26-24と苦しみながらも3-0のストレートで勝利し、準々決勝進出を決めた。

 6チーム総当たりの予選グループリーグを終え、16日(現地時間)からは負けたら終わりのトーナメントが始まる。A組4位の日本は、強豪がひしめくB組を全勝で1位通過した米国と対戦する。

 米国は、高さやスピード、巧さといった個人技のスキルもさることながら、組織的に構築されたブロック&レシーブも武器とする、まさに最強チームだ。予選グループリーグ以上に苦しい戦いが予想されるが、アルゼンチン戦で好調さをみせた石井は「試合を重ねるごとにチームの状態もよくなっているので、一致団結して強い気持ちで臨みたい」と力強く語る。キャプテンの木村は「やってきたことをしっかり出せるように、スタートから最後のボールがコートに落ちる瞬間まで諦めずに戦いたい。負けたら終わり。守備から何回もつなぐ泥臭いバレーをしたい」とチャレンジャー精神で、勝利を誓った。