第3セットもブラジルが主導権を握り、追う展開を強いられる中、鍋谷のサーブからようやく日本が追いあげに転じる。ブラジルの両サイドの間や、前後にうまく変化をつけたサーブで得点し、1点、また1点とブラジルを追いかける。

 14-18と4点をリードされて迎えた終盤にも、鍋谷の2本のサービスエースを含む連続得点で18-18と同点にし、一気に逆転かと思われたが、ブラジルはバックアタックも含めた多彩な攻撃で日本に的を絞らせず、22-25。セットカウント0-3のストレートで敗れた日本は、予選グループリーグの勝敗を1勝2敗とした。

 完全アウェイの中で臨んだ一戦だったが、相手が強豪ブラジルだからこそ、「スタートから気持ちを出して戦おうと話していた」とキャプテンの木村は言う。サーブで連続得点を挙げた鍋谷だけでなく、ブロックポイントで得点を量産した荒木や、長岡に代わって攻撃の軸となった迫田の活躍など、光るプレーはいくつもあった。

 1勝2敗と黒星が先行し、次戦は世界ナンバーワンの高さを誇るロシアとの対戦。木村は「(ブラジル戦は)勝つことができず、残念だし悔しい。明後日のロシア戦は絶対に勝ちたい」と巻き返しを誓った。