ロンドン五輪に続き、2大会連続で銅メダルを獲得した星奈津美。(写真:Getty Images)
ロンドン五輪に続き、2大会連続で銅メダルを獲得した星奈津美。(写真:Getty Images)

「最後、腕もかけなくなる、脚も蹴れなくなるっていうくらいまで、はじめて出し切れたと思うので、本当に悔いはないです」

 女子200mバタフライで2大会連続銅メダルを獲得した星奈津美は、レース直後のインタビューで涙を流しながらこう話した。

 予選、準決勝は自分の思うような泳ぎができず、少し不安な立ち上がりだった。初日の100mで58秒03の自己ベストを更新し、スピードはついていることを証明していたが、それを200mのレースにうまくつなげられていない。そのもどかしさが、レース前後の表情に表れていた。

 ところが、決勝レースに登場してきた星の表情に迷いがなくなっていた。

「決勝を迎えるまでに、たくさんの方からメッセージをもらって、あらためて自分のやるべきことは、決勝の舞台で自分の力を出し切ることだと思いました」

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