金メダルを獲得した萩野公介(右)と3位の瀬戸大也(左)(写真:Getty Images)
金メダルを獲得した萩野公介(右)と3位の瀬戸大也(左)(写真:Getty Images)

 リオデジャネイロ五輪競泳競技の初日、最初の決勝種目で歓喜の瞬間は、いきなり訪れた。

 男子400m個人メドレー決勝。世界ランキング1位で乗り込んだ萩野公介と、世界水泳選手権2連覇の瀬戸大也のふたりのワンツーフィニッシュに期待がかかったこのレース。大舞台でも萩野は冷静さを失わなかった。前半を予選よりも速い1分57秒73でターン。瀬戸は少し抑え気味なのか、予選よりも1秒以上遅れる1分59秒19で折り返す。

 平泳ぎになっても、萩野のスピードに衰えは見えない。追いすがる瀬戸と、予選1位通過のチェイス・カリシュ(アメリカ)を身体ひとつ引き離して最後の自由形へ。

 後半に強いカリシュが追いかけてくるが、350mをターンしてからターボがかかったかのようにキックが入る。最後は、どこか勝利の喜びに浸るような雰囲気でタッチ。4分06秒05で金メダルを獲得。3年前に自身が出した日本記録を1秒56上回る最高の記録で、最高の結果を手にして雄叫びを上げる。

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