日本としてはパボンを徹底的に封じる必要がある。このため中盤の守備が曖昧になった4-3-3ではなく、慣れ親しんだ4-4-2に戻して、遠藤と原川(もしくは大島)のダブルボランチで彼から自由を奪うことが勝利への絶対条件と言えるだろう。さらにコロンビアは、スウェーデン戦では4-4-2でスタートしながらビハインドになると4-3-3に変更し、レストレポ監督は日本戦を前にした会見では4-1-4-1の採用を示唆するなど多彩なフォーメーションを持っている。日本としてはコロンビアのシステム変更に戸惑うことなく対処する柔軟性も見せてほしい。

 前日の会見でレストレポ監督は「日本はリスペクトするグッドチーム。ナイジェリア戦はミステリアスだったが、コロンビア戦は違った試合になるだろう」と接戦を予想した。しかしスウェーデン戦を見る限り、前線と守備ラインは大きく間延びし、いたる所にスペースがあったし、後半の終盤は足が止まってボールウォッチャーになっている選手も多かった。日本はワンタッチ、ツータッチのテンポの速い攻撃を仕掛けられればチャンスはある。そのためにもナイジェリア戦のような序盤での失点は避けなければならない。

 手倉森監督は「負けたら終わりというところから“谷間”と言われたリオ五輪世代の出番。1つ負けたから、1つ前に出て行く勇気を持たせられればいい。簡単に言えば、ビビるなということ。面白くなるよ」と、いつものように泰然自若の構えを崩さなかった。指揮官が指摘したように、平常心で臨めるかどうかも勝敗を左右するキーポイントになる。

サッカージャーナリスト・六川亨)