フル代表でプレーするサネ(右)は五輪不参加(写真:Getty Images)
フル代表でプレーするサネ(右)は五輪不参加(写真:Getty Images)

 リオ五輪男子サッカーの開幕がいよいよ現地時間8月4日に迫った。U-21代表を送り込むドイツは1988年ソウル五輪以来、28年ぶりの出場となる。快挙に沸いていいはずだが、地元は「ベストメンバーじゃないし」と盛り上がらない。なかには「Cチーム」とまで言うファンもいる。ホルスト・ルベッシュ監督はなぜ本命を揃えることができなかったのか。そこには五輪代表だからこその苦しい事情があった。

 2015年のU-21欧州選手権でベスト4に入り、リオ行きをかなえたドイツだが、ルベッシュ監督とDFB(ドイツサッカー連盟)のハンジ・フリックSD(スポーツディレクター)にとっては、ここからが苦難の始まりだった。「招集できる選手の条件」という壁が、何重にもなって目の前に立ちはだかっていたのである。

 まず、男子の場合、五輪に招集できるメンバーは1993年1月1日以降に生まれた選手+オーバーエイジ3人だ。この時点で、欧州選手権を予選から戦ってきたメンバーのうち8人がNGとなる。

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