もちろん選手に大きな責任があるのだが、同時に谷繁元信監督の采配にも改善点があることは確かだろう。どの場面で誰を代打で送るのか、そしてその際にどういう言葉をかけて送り出すのか。継投も、どのタイミングで、誰を起用するのか。そしてピンチにどういった気持ちで立ち向かうのか。それは選手個人のパーソナリティにも委ねられるが、それを判断し、もしくは秘めたる力を引き出すには、監督の力も大きくかかわってくる。2年間の兼任監督から今年は専任となった谷繁監督だが、指揮官としての力量は、いまだ未知数だ。

 勝負弱いチームに、ファンは指揮官の采配も懐疑的な目で見始めた。現状、落合GMとの二頭体制がうまく機能しているとは言えず、今季の結果如何では、来季以降の体制も不透明な状況になる。次期監督候補としては、昨季限りで引退した和田一浩に山本昌、2軍監督として結果を残している小笠原道大、その他にも立浪和義や山崎武司、井上一樹などの名前が挙がるが、果たしてどうなるか。

 そもそも8年間で優勝4回、2位3回、3位1回と結果を残した落合監督を解任した理由として、魅力に欠ける野球と、それによる観客動員数の低迷があった。だが、3年連続Bクラスという結果の中で、観客動員数は以前よりも減少した。やはり、「勝つ=面白い」であることは間違いなく、それができたのが中日であった。かつての姿、かつての強さを取り戻せるか。谷繁ドラゴンズの勝負の夏は、すでに始まっている。

※成績はすべて7月29日時点