一方の投手陣だが、こちらも悩みが多い。かつての投手王国はどこへやら、ここまで規定投球回をクリアしているのは若松駿太、ただ一人のみ。今季の開幕ローテーションが、大野雄大、山井大介、ネイラー、若松、濱田達郎、福敬登だったことを覚えている人は少ない。落合博満政権下での黄金期を支えた浅尾拓也、岩瀬仁紀は過去の人となり、その後継者となるべき又吉克樹、福谷浩司の2人もピリッとしない。田島慎二という“魔神”が出現し、5月までの開幕2カ月で29試合に登板していたが、抑えに回った6月以降は2カ月で12試合登板と出番が回ってこない状況で、チームの浮上には繋がっていない。

 ここまでは選手個々に見て来たが、それよりも問題なのはチームとしての勝負強さ、接戦でのしぶとさが失われたことにある。ここがリーグ連覇を果たした2010年、2011年と比べて、最も変わってしまった部分である。その違いを1点差試合の勝敗で判断すると、2010年は25勝16敗、2011年は33勝22敗だったが、それから5年が経過した昨年は1点差試合が20勝25敗で、今年も10勝15敗と負け越している。

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