「近年のイベントは集客の成否が極端に分かれるケースが増えており、イベント慣れしていない運営ほど失敗を恐れて『無料』『食べ放題』といったお得感を刺激するキーワードを強調する傾向にあります。しかし、そのワードはもろ刃の剣なんです。射幸心を煽られたかのような格好で、予想を超えた来場者が殺到することがあり、運営サイドの見込みの甘さや経験不足によって対応できなくなってしまう。イベントは水物であるため、過去に豊富な開催実績がない限りは集客予測が非常に難しいのです。また、警備員を含めたスタッフの多くが臨時のアルバイトのため、トラブルが起きても現場レベルで判断ができずに対応が遅れてしまう。これも事態悪化に拍車をかけています」(東京・青山にあるイベント会社の社員)

 来場者の殺到で混乱するだけでも大変だが、夏場のイベントは運営サイドの対応次第で熱中症など命にかかわる問題が起きかねない。取り返しのつかない事態が起きる前に、イベントの利益よりも来場者の健康と命を第一にした対策が求められそうだ。(ライター・別所たけし)