やりとりに注目が集まるモウリーニョ監督(右)とクロップ監督(左)(写真:Getty Images)
やりとりに注目が集まるモウリーニョ監督(右)とクロップ監督(左)(写真:Getty Images)

 イングランド・プレミアリーグに、これほどの豪華な顔ぶれが集結したことが過去にあっただろうか。選手ではない、監督のことである。マンチェスター・シティの新指揮官となったペップ・グアルディオラ、マンチェスター・ユナイテッド新監督のジョゼ・モウリーニョ、チェルシー新監督のアントニオ・コンテというビッグネームを、昨季王者レスターのクラウディオ・ラニエリ、アーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲル、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ、リヴァプールのユルゲン・クロップなどキャラの立つ面々が迎え撃つ。年俸、実績、話題性、どれをとってもヘビー級の指揮官の戦いが、面白くならないはずがない。

 彼らの何がすごいかというと、まずは年俸だ。『フランス・フットボール』誌が5月に伝えた「世界の高額年俸監督ランキング」によると、栄えある1位はグアルディオラで、年俸1500万ポンド(約20億5000万円)。2位がモウリーニョで1380万ポンド(約18億9000万円)。ヴェンゲルは830万ポンド(約11億4000万円)で4位、クロップは700万ポンド(約9億6000万円)で6位、コンテが650万ポンド(約8億9000万円)で7位。ポチェッティーノが550万ポンド(約7億5000万円)で9位。数字だけ並べてもピンとこないが、ポチェッティーノの年俸はざっくり言うと、今年のサマージャンボ宝くじ1等・前後賞を合わせたくらいの額である。

 年俸ランクの2トップは実績も図抜けている。他チーム時代も含めると、グアルディオラのタイトルは国内リーグ6度、チャンピオンズリーグ(以下CL)2度、国内カップ4度、クラブW杯3度。モウリーニョは国内リーグ8度、CL2度、国内カップ10度。コンテはタイトル数こそ合計5と少ないが、イタリア代表監督を務めたという、ほかの2人にはないキャリアがある。

 そして話題性。どのリーグにも、1人や2人はカリスマ指揮官が存在するが、プレミアの場合、ユナイテッドファンのフォーラムに「Mourinho vs Guardiola vs Wenger vs Klopp vs Ranieri vs Pochettino vs Conte」というスレッドが立つくらいなので、推して知るべし。英メディアはこの顔ぶれを「mouthwatering=垂涎モノ」と表現するが、このラインナップは確かにプレスにとってオイシイ。モウリーニョが中心となってネタを提供してくれるはずだからだ。標的はもちろんグアルディオラとヴェンゲルである。

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