「カープのユニフォームを着て投げる方が、最後の1球になっても後悔は少ないと思って判断しました」と、メジャーからの大型契約を断って古巣へと戻ってきた黒田。復帰1年目の昨季に11勝(8敗、防御率2.55)を挙げると、今季はこれで7勝(5敗、防御率2.89)目。「いつ辞めてもおかしくない」という41歳の肉体にムチを打ちながら、マウンド上ではその年齢を微塵も見せない力強いピッチングを披露し、野茂英雄(元近鉄、ドジャースなど)以来となる史上2人目の日米通算200勝を成し遂げた。

「チームのために201勝目を目指して、また明日から準備して、そして大きな目標に向かって、チーム全員で戦っていきたい」

 200勝はあくまで通過点。“大きな目標”とは、言わずもがな、25年ぶりのリーグ優勝だ。その瞬間は、刻一刻と近づいている。真っ赤に染まったマツダスタジアムが再び歓喜に揺れる時、この日の“黒田の200勝”がまた、さらに大きな意味を持ってくる。