本場所ごとに発行され、ファンに人気を呼んでいる大相撲フリーペーパー『TSUNA』の竹内一馬編集長は言う。

「編集部が主催するトークショーやオフ会など、参加者の7割が女性なのには驚きます。30代が一番多く、40代、20代と続いています」

 まさに、広告業界やマスコミ業界がマーケティングする際、一番のターゲットとする「F1層(20代~34歳)」「F2層(35歳~49歳)」に当たるのが、スー女たちなのである。

 両国国技館をはじめ、本場所が開催される各地の会場でも、この世代の女性ファンの姿が多く、その行動力と経済力を目の当たりにする。30代のOLであるスー女のひとりが、こう言っていた。

「最初は友人を誘って観戦したのですが、その話を会社でしたら、『私も一度行ってみたい!』と仲間がどんどん増えてしまって。調べてみたら20名以上で団体割引があるんです。だから今場所は、みんなに声を掛けて20人で来たんですよ」

 手作りのお弁当を持ち込んでの女子会など、それぞれに大相撲の楽しみ方を知るスー女たちは、今なお「増殖中」。男の男による男のための大相撲――究極の男たちの世界は、今、女性たちによって支えられているのかもしれない。

(文・佐藤祥子)