ゲッツェにとっても、シュールレはキーマンである。MFマルコ・ロイスも含めて3人は頻繁に連絡を取り合う仲で、シュールレとゲッツェは恋人同伴でしょっちゅう一緒に遊んでいる。今も4人はカリフォルニアで休暇を楽しんでいる最中だ。ファンの反感を買うことを承知で戻るゲッツェにとって、親友がそばにいるというのは大きな支えだろう。

 ゲッツェがパフォーマンスを取り戻せるのか、トーマス・トゥヘル監督のスタイルにフィットできるのか、そこは「どうなの」という点については加入後の様子を見るしかない。バイエルンのカール・ハインツ・ルンメニゲCEOは「ゲッツェは素晴らしい選手だが、うちでは3年間ずっと機能しなかった」と言っているが、彼はバイエルンで公式戦114試合出場、36ゴール24アシスト(ドルトムントでの4年間では116試合に出場、31ゴール44アシスト)を記録している。数字を見る限りそこまでひどかったようには思えない。

 前所属先で構想外となった選手が新天地で奮起するのはよくある話だ。トゥヘル監督も認めるように、若手ばかりの新チームでブンデスリーガを含め3大会に臨むのは「リスキー」である。経験豊富なゲッツェがそのチームを牽引し、シーズン中少なくとも2度(スーパーカップを入れれば3度)巡ってくるバイエルン戦でヒーローになれば、ファンのモヤモヤは吹き飛ぶだろう。