ヒロイン役の中条も「(菅田と池松は)すごく仲悪そうにみえるんですけど安心してください、仲良いです(笑い)。シンプルな男の友情がうらやましいなって見てたの、たぶんおふたりにばれてると思います」とふたりの仲の良さを語った。

 映画はふたりの高校生が川辺でしゃべっているシーンがメインのため、撮影中は実はかなり「お尻が痛かった」と池松。これには菅田も「1週間同じ場所に座ったことある人います? お尻は痛かったですね~」と同意。動きの少ない映画ならではの苦労が垣間見えた。

 また、撮影中には菅田の祖父が見に来ることがあったという。その登場は、かなりインパクトがあるものだったようで、菅田は次のように振り返る。

「1回うちのおじいちゃんが見に来て。『来たでー!』って言って、(手を高くかかげるしぐさをして)2万円を振って」

 孫の撮影風景で2万円を振るという謎の行動について、菅田は「たぶん本人としては、差し入れとかしたかったんだけど持っていなかったので、財布から2万円出して振ったんだと思います」と解説。

さらには、撮影当時は周囲にギャラリーがいたものの、ファンが菅田の名を呼んでもなかなか振り返らなかったため、「おじいちゃんが(菅田を)呼んで、ギャラリーを喜ばせる、みたいなことをやり始めて(笑い)」(池松)といった事態にも。

そんなおじいちゃんを「おじいちゃんスナックやってて、サービス業なんで優しいんです」と菅田がフォローする一幕もあった。

 この映画は男子高生がしゃべっている姿をメインにした作品のため「しゃべるだけの青春」というキャッチコピーがかかげられている。それにかけて、出演者に自身の高校時代をそれぞれ「○○だけの青春」として回答した。

 学生時代から仕事をしていた菅田は、実は部活にも所属していた過去を明かした。

「青春時代は、9割5分仮面ライダーやってたんですが、残りの5分は部活ですね。アメリカンフットボール部で。1年しかやってないんですが、1年生は部室に入れないのでずっと体育館裏にいたんですよ。なので、体育館裏の青春。男たち汗だくで臭いですよ~(笑い)」(菅田)

 一方、池松もスポーツがらみだったといい、こんな「青春」を明かした。

「僕は野球漬けだったんですね。まあ協調性のないメンバーが集まってしまい、僕もなかなか練習に行かず部室にずっといたことがあります。練習始まる前も休憩中も。夜遅く、警備員が見回りに来るまで部室で横になっていましたね」(池松)

 部室に入れなかった菅田に対し「部室だけの青春」とも言える過ごし方だったという池松。まだ青春時代がそう遠くない世代だけに、リアルな青春のひとコマが見えた会見だった。

映画『セトウツミ』は7月2日から全国公開中。(文・横田 泉)