五輪メンバー発表前最後の一戦で中島翔哉(左から2人目)らが猛アピール(写真:Getty Images)
五輪メンバー発表前最後の一戦で中島翔哉(左から2人目)らが猛アピール(写真:Getty Images)

 U-23日本代表の国内最後となる試合が6月29日に長野県松本市の松本平広域公園総合球技場で行われ、日本同様リオ五輪に出場するU-23南アフリカとの試合は4-1で日本が逆転勝ちを収めた。これで日本の国内での活動は終了し、7月1日にはリオ五輪にエントリーする18名の選手が発表される。

 この日のスタメンはGKが櫛引政敏(鹿島)、DFは右から室屋成(FC東京)、植田直通(鹿島)、中谷進之介(柏)、亀川諒史(福岡)という組み合わせ。2月に左足小指を骨折した室屋は1月のアジア最終予選以来5カ月ぶりの復帰。亀川も5月のトゥーロン国際大会の初戦で右足甲を負傷して以来のカムバックとなる。ボランチには大島僚太(川崎F)と井手口陽介(G大阪)が入り、中盤の右は野津田岳人(新潟)、左は矢島慎也(岡山)というユニット。そして2トップは浅野拓磨(広島)と中島翔哉(FC東京)がコンビを組んだ。中島も4月に右膝じん帯を傷めて2カ月ぶりの復帰となる。

 手倉森監督自身も「復帰組を主体にメンバーを選考した」と試合後に語っていたが、その結果には「ラストチャンスに皆が申し分なく期待に応えてくれた」と手応えを感じつつも、「晴れ晴れとしたゲームだったが、自分の気持ちだけが晴れない」と、最終選考に向けて悩みが深まったことを独特の表現で表した。

 立ち上がりは南アが迫力ある攻撃を仕掛けてきた。前日の会見でオーウェン・ダガマ監督は「我々のスタイルは他のアフリカ勢に比べると背が低いのでポゼッションサッカー」と言っていたが、その言葉通りパスをつないでの中央突破や、サイドに早く展開して俊足選手を走らせる多彩な攻撃を披露した。そして前半30分に亀川のハンドから得たPKをモトゥパが決めてリードを奪う。しかし南アの勢いもここまでだった。

次のページ