リオ五輪で「もっとも金メダルに近い男」との呼び声高い73㎏級の大野将平(写真:Getty Images)
リオ五輪で「もっとも金メダルに近い男」との呼び声高い73㎏級の大野将平(写真:Getty Images)

 リオ五輪で、日本のメダル獲得数に大きく関わってくるのが柔道だ。特に男子は、ロンドン五輪で金メダル0という辛酸をなめてきただけに、リオ五輪では何としてもその雪辱を果たしたいところ。リオ五輪に出場する代表選手の中でも、メダルが期待される注目選手を紹介したい。

 リオ五輪で「もっとも金メダルに近い男」との呼び声高いのが、73㎏級の大野将平(旭化成)だ。大野は今回、国内最激戦区である73㎏級で、中矢力(ALSOK)、秋本啓之(了徳寺学園職員)ら世界選手権金メダリストを破って代表を手にした。

 大野の五輪出場を最も決定づけたのは、今年2月に行われたグランプリ・デュッセルドルフ大会だ。この階級で日本最大のライバルと目される73㎏級の世界ランク1位(6月26日現在)の安昌林(韓国)に完勝。リオ五輪でも大野に次ぐ金メダルの有力候補の安に対してみせた一方的な試合運びは国内外に改めて大野の強さを印象づけた。

 今回が大野にとっては初の五輪代表だが、代表合宿では「最低でも金メダル」と宣言している。冒頭でも述べたように「最も金メダルに近い男」と評して間違いないだろう。しっかり相手と組み合って投げる“正統派”な戦い方に定評がある大野。リオ五輪でもその日本らしいともいえる戦法で、柔道大国・日本の復権を印象付けてくれるはずだ。

 日本が何としても金メダルを獲得したい階級といえば、柔道の花形ともいえる100㎏級、100㎏超級だろう。これまで山下泰裕、斉藤仁、井上康生ら数々のスター選手を輩出した階級だ。それだけにロンドン五輪でこの階級でメダルを獲得できなかったことは日本柔道界にとっては痛恨の極みだった。

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